現代を象徴する作風は、野外で写生をしたわけでもなく、そこには農夫・職人、そこで暮らす人々？(変な生き物)の世界観が広がる。フィクサーまで登場するとは想像しがたい作風に仕上げたのは、この国には貴族・商人・官吏・政治屋など、動物の仮面を被った見せかけの変な生き物たちが現れるから。化けの皮を被った生き物(偽善者？)と言ったところだろうか。現代社会を諷刺するかのような作品でありながらクスっと笑ってしまう作風と表情を消し去ったポーカーフェイスに鑑賞者の想像力を燃焼させる。雑誌や新聞の付録についてきそうな、シュールなヤツら。毅然と立つ？変な生き物たち。モデルを使いデッサンでもしていようなら、更に面白さが際立つ。肉体に調和しない顔の大きさはヌイグルミの体を想像するに容易い。包み込むようなやさしい曲線の彫刻、ボテロのようなふくよかな体型の生き物たち。運動神経を麻痺させたかのようなフォルムは量感のある安定感を獲得させた。リアリズムとはかけ離れた作風で、喜劇に登場する変な生き物たちの時事問題を勝手に連想してほしい。　今回の個展では10点の平面作品、18点の彫刻作品で構成される。平面作品と彫刻作品の歴史的創造はKATSUMI YAMATO GALLERYでの初個展で全面的に公開される。普遍性を感じる粘土の塊と平面に写し出された変な生き物たち。　色彩を思想と同じように読み取らせ、私の作品が皆さんを目覚めさせる力を持つのか。。。自分の作品を通じて、そんな風景の中にいた生き物たちが質量を持ち、私たちの世界に姿を現した時、また新しい物語が生まれ、末永く続く幸せと豊かな感情を多くの方と共有できたらと思う。奈良美智が描く女の子に影響を受け、普遍的な作品を問いかけたとき、出た答えが今回の作品に反映している。身をかがめて近づき、作品を見る労力を惜しまないでほしい。私のSIDE STORYは始まったばかり。